入社時に提出してもらう書類

採用トラブルを回避するために

 就業規則の規定を定める時、中小企業の経営者や幹部の方と話していると採用トラブルに対しての考えが少し甘いケースがあります。

 入社時は、まだお互いの信頼関係ができていませんので、誤解が重なりトラブルが起こりやすくなります。

 そのため、「会社のルールを守れる人物かどうか?」

 といったことを見極めるためにも、労務管理を行うために必要な最低限の書類を求めます。

   

採用選考時と入社時

 「採用選考時」

  就業規則に規定する採用選考時の書類としては

  @ 履歴書(3か月以内に撮影した写真)

  A 職務経歴書

  B 健康診断書(3か月以内に受診)

  C 成績証明書

  D 卒業証明書または卒業見込証明書

  E その他会社が指示する書類

   

    などがあげられます。

 

  「採用決定者の提出書類」

  採用決定者については、以下の書類を提出させることが一般的です。

  @ 雇用契約書および誓約書

  A 身元保証書

  B 住民票記載事項証明書

  C 源泉徴収票(職歴のあるもの)

  D 年金手帳

  E 雇用保険被保険者証(職歴のあるもの)

  F 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律

   (以下「番号法」という)に定める個人番号通知カードまたは個人番号カード

    の写し等、個人番号および本人確認のため必要と認める書類 

  G その他会社が指示する書類

   

     などがあげられます。

 

  ポイントとして

  ・雇用契約書をきちんと結びましたか?

  ・会社にあった内容の誓約書を提出させましたか?

  ・会社にあった必要な書類を提出させましたか?

  ・必要な書類は、入社日までに提出させていますか?

   

   提出書類は、重要な書類だからこそ求めているはずです。

   もし、この点が甘かったなら意識して書類を定め、提出してもらいましょう。

身元保証書

身元保証書について

 採用時の提出書類の中で、ときどき勘違いされているのが身元保証書です。

 実務上とても重要なポイントなのですが、おろそかにされている部分でもあり

 中小企業の労務管理では取扱い方法がわからないという声も聞きます。

身元保証の保証期間は?

 身元保証とは

 採用した従業員が会社に損害を与えた場合などの賠償機能を目的とする考え方と最近多くなって

 いるのは、人物保証を目的とする考え方の2つがあります。

 

 保証期間は?

 期間を定めない場合は、3年 最大でも5年

 入社した時、会社と従業員との信頼関係はまだまだ出来上がっていない状態といえます。

 しかし、仕事を行っていく上で教育も施し、会社の人間としてふさわしい人物とするのは

 会社の責務といえます。それまでの保証期間ともいえます。

 

 勘違い?

  「身元保証はずっと取り続けるの?」

  と思い違いをされている方がときどきいます。

  また、「プライバシーにかかわることなので提出したくない」と考える方もいます。

 

  身元保証を提出させる意味

  会社と雇用関係を結んだという自覚を社員に持たせることにあります。

  なんとなく行っていること、そんなことでも説明することで従業員と会社の信頼関係を築く

  上では重要なポイントです。

2020年4月より 改正民法465条の2

  「極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約について

  (例えば)

   入社時の身元保証契約は、従業員が会社に損害を与えた場合に本人と連帯して、その損害を

   負うという連帯保証契約です。

   保証人にとりましたら、従業員がどのような責任を負うのか?を予測できないことから、

   上記の根保証契約にあたります。

 

   かなり端折って、言えば

   身元保証契約を締結する場合、賠償の上限(極度額)を定めておかなければいけません。

 

   賠償の上限について、会社が仮に「2000万円」などと定めて身元保証契約に明記したと

   したなら、保証人の選定が難しくなりかねません。

 

   現実味のある金額が必要となります。

   ※法務省民事局参事官室によると

    4月改正以降は、極度額(上限額)を記載しないとその契約は無効になるというのが

    法務省の見解でした。

    しかし、最終的には、4月以降の裁判所の個々の判例によって決まるとのことです。

    

    そのため、2020年4月以降の身元保証書は、各会社の実態に照らし合せどのような

    内容を記載するのか?

    社労士などの専門家と相談した方が宜しいかと考えます。

 

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